最上稲荷は、日本三大稲荷の一つとして広く知られている岡山の名所です。 岡山県では非常に有名な場所であり、その象徴的な存在として、岡山最大規模のランドマークのひとつとも言える巨大な鳥居があります。 その圧倒的な存在感は、多くの人々に強烈な印象を与えています。

ちなみに、岡山市北区高松地区に位置している最上稲荷は、別名「高松稲荷(たかまついなり)」とも呼ばれているそうです。

最上稲荷の大鳥居

岡山県に住む人々にとっては、おなじみの風景かもしれませんね。 最上稲荷へ向かう途中、岡山県道241号(長野高松線)にある大きな鳥居です。

見えた瞬間テンションがあがるぐらい、めっちゃでかいんよ

大鳥居は一度は見たい光景にゃんね

大昔、子供の頃来た時じゃったけど、朝早くから凄い人だった記憶あるわ
ちなみにお土産に木刀をかったんじゃけど、まだ持ってるw

どうでもいいにゃんね(汗

この鳥居は最上稲荷の象徴的存在であり、昭和47年(1972年)に建てられました。その大きさは高さ27.5m、柱の直径4.6mで、総重量2800tという大規模なものです。 平成26年(2014年)には改修工事が行われ、鮮やかなベンガラ色に塗り直されました。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

最上稲荷と神仏習合

最上稲荷は初詣に訪れる方も多い場所ですが、実は神社ではなく、正式には「最上稲荷山妙教寺」という名前の日蓮宗寺院です。 お寺ではありますが、明治時代に行われた神仏分離の政策において、特例として神仏の結びつき、神仏習合を認められたの稀有な稲荷として知られています。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像
願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

一般的な仏教の寺院でありながら、先に述べたとおり鳥居を備え、神社の拝殿のような形式を持つ本殿(霊光殿)が存在し、神仏習合の時代の特徴を多く残しています。 このような形態の組み合わせは、非常に貴重であると言えます。

1200年の歴史を持つ、最上稲荷

約1200年もの長い歴史を持つ最上稲荷。 その歴史は、天平勝宝4年(752)に報恩大師が孝謙天皇の病気平癒のために龍王山の八畳岩で祈願したことから始まります。 祈願中、白狐に乗った最上位経王大菩薩が現れ、大師はその尊影を刻み祈願を続けることで、天皇は奇跡的に回復したと言われています。

その後、延暦4年(785)には桓武天皇も病気になるが、再び大師の祈願によって回復しました。 この出来事に喜ばれた天皇の命により、現在の場所に「龍王山神宮寺」が建てられたのです。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

「龍王山神宮寺」として栄え続けてきた最上稲荷ですが、備中高松城水攻めの際には戦火によって寺院が焼失しました。 ただ、幸いなことに本尊である「最上位経王大菩薩」のお像は八畳岩の下に移され、無事を保ちました。 このお像を基にして、慶長6年(1601)には新たな領主である花房公が関東から日円聖人を招き、霊跡を復興しました。 その後、寺名も「稲荷山妙教寺」と改められ、今日の繁栄の礎が築かれたのです。

1200年の歴史を紡ぎながら、最上稲荷山妙教寺はその存在を守り続けてきたのですね。

最上稲荷の御利益

最上稲荷の本尊である「最上位経王大菩薩」は、五穀豊穣や商売繁盛、開運など、さまざまな福徳をもたらす存在として崇められています。 また、本殿には水の神である「八大龍王尊」と、開運を招く「三面大黒尊天」とともに、最上三神と呼ばれる脇神も祀られています。 最上稲荷の信仰の基盤となるのは、お互いに拝み合い、思いやりの心を持つ合掌の姿勢です。 この教えは広く信仰を集めており、「不思議なご利益を授けてくれる最上さま」として、今も多くの人々に親しまれています。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

お参りの仕方は神社と異なる

神社では「二拝二拍一拝(二礼二拍一礼)」と言われていますが、最上稲荷は神仏習合の形態を持っているとは言え、法華経で勧請されたお稲荷さま(最上位経王大菩薩)をお祀りしているので、御宝前では、心を落ち着かせて静かに合掌し、「南無妙法蓮華経」とお唱えするのが正式な作法です。

最上稲荷と数々の祭典

最上稲荷では、初詣や節分の豆まきなど、日本の伝統行事が行われています。 多くの方が初詣を神社への参拝と捉えているかもしれませんが、実際は新年のスタートを神仏に願い、厄除けや幸福を祈る行事です。 岡山県では非常に多くの人々が訪れ、心を込めてお参りしています。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

三大祭典のひとつ 豆まき

最上稲荷では、最上さまの脇神である三面大黒尊天を祭る豆まきの儀式があります。 この豆まきは、開運や厄除けを願うための重要な行事であり、豆まきの前には祈祷が行われます。 長さ85メートルの結界廊から、約750人の福男福女が10万袋の福豆を力強く投げます。 その光景は迫力満点で、多くの人々の心に活気と勇気を与えます。災厄を祓い、幸運を招くこの豆まきの儀式は、最上稲荷の特別な瞬間となっています。

この豆まきは、最上稲荷の三大祭典の一つとして知られています。しかし、長い間、新型コロナウイルスの影響で中止されていました。しかし、2023年には3年ぶりに豆まきが開催され、大いに盛り上がりました。多くの人々が参加し、喜びと幸福を祈りながら、福豆をまく様子は素晴らしいものでした。

三大祭典のひとつ 八大龍王

最上稲荷の夏季大祭では、最上さまの脇神である八大龍王尊を祭る祭りが行われます。 午前10時半からは本殿で開運祈願祭が行われ、水難退散、五穀豊穰、除災得幸を願って祈りが捧げられます。 その後、神輿がお滝の水にうたれ、一般参詣者は素足で水を渡ります。 この法水渡りでは、500円以上の奉納料とともに八大龍王尊のご神木をお供えし、その守護を受けることができます。

最上稲荷の夏季大祭は、八大龍王尊を祀る重要な祭りであり、年に一度の機会で誰でも参加できます。 勇壮な水の祭典である宝珠神輿の水かけも見どころの一つです。

三大祭典のひとつ お火たき大祭

最上稲荷の三大祭典の一つお火たき大祭は、11月30日~12月7日の夕刻までの8日間にわたって行われます。 報恩大師の祈願と感謝の行事です。この伝統的な行事では、最上尊の御宝前で特別な護符が香の煙とともに消えるという故事があります。

境内には、お札が山のように積まれた特設の護摩壇が用意されています。これらのお札は、昨年の家族の安全や願い事の成就を守ってくれたものです。 お火たき大祭は30日の夜の点火式から8日間にわたって行われ、参加者は炎に体や手をかざすことで一年間を無病で健康に過ごすと言われています。 また、火難除札を台所に貼ることで火難を免れるという言い伝えもあります。

縁切り縁結びが両参りで一緒に受けられる

境内には、七十七末社とよばれる、最上尊を奉じ厄除けや縁結びなどの役割を果たす神さまが数多く存在します。 その中には、縁むすび・縁きりの両参りができる縁の末社もあります。縁の願掛けでは、悪縁を断ち切る「縁きり」と良縁を結ぶ「縁むすび」を一緒に行うことが特徴です。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

最上稲荷では、さまざまな神様にお会いすることができます。ぜひ一度、最上稲荷へお参りしてみてはいかがでしょうか?

最上稲荷の一祭神 水を司る八大龍王尊 雲龍図

最上稲荷の大客殿には、注目すべき巨大な竜神のふすまがあります。 この作品は、国内外で活躍する墨絵・水彩アーティストであるOHGUSHI(大串武司)さんが6年の歳月をかけて制作しました。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

雲龍図は期間限定で特別公開されている事があり、2022年の初公開に続き、2023年には2023年6月29日(木)~7月20日(木) 10:00~15:00で公開されています。

願いを叶える大鳥居の先に、神仏習合の三大稲荷・最上稲荷の画像

全長10メートルに及ぶこの大作は、全8面のふすまに嵐の中を雄々しく飛ぶ竜神が描かれており、青みのある墨で大胆に表現されています。 さらに、赤、青、黄の色墨を使用して目や水の光輝く水神の姿が生き生きと描かれています。 この作品は躍動感にあふれ、見る人々を魅了しています。

アクセス方法


岡山自動車道・岡山総社ICから約5km、車で約10分ほどの距離に位置しています。
最上稲荷へ行く際は、国道180号線を岡山方面に向かって進み、県道241号線に入ります。 大きな鳥居を目印に進んでください。簡単な道順ですので、分かりやすく目指すことができます。

所在地 〒701-1331 岡山県岡山市北区高松稲荷712−712
参拝時間 9:00~16:30
駐車場 周辺には、最大で5000台収容可能な民間駐車場が用意されています。
※金額は時期によって変動します

境内には身体障がい者駐車場(4台)あり

トイレ あり

駐車場

最上稲荷周辺には無料の駐車場もありますが、それらは少し離れた場所にあり、一定の歩行が必要です。また、最上稲荷の境内近くにはお土産屋さんがあり、その前には駐車場があります。こちらはお土産屋さんのご厚意で利用できるスペースであり、土日祝日や混雑期には別途駐車料金が発生することがあります。

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